タイトル見たまんま初代ウルトラマンではなく、話の内容変えてるのでリブートと言ったところ。しかし初代はもちろん列伝シリーズを見た人は笑えてしまうオマージュ台詞、音楽の数々、初代見たことない人はこれを機に見た方がいいんじゃないかという具合。いわばパイロット版ともいうべく初代を分かりやすくしてる
もはやオマージュだけでツッコミが追いつかない。というか明らかに元ネタの時点で面白いのでタチが悪い。ウルトラマンの持つシュールさがでている、というか初代てあんなシュールでわけわかめな話だっけ。
だいたい監督が同じゴジラもだがオタクが現代の技術力振り回して面白い特撮を台詞回しや迫力も入れて作り直してるように見える。確か監督の庵野氏が以前作ったエヴァンゲリオンシリーズの体型は初代ウルトラマンをイメージしたと言われるくらいだし。ということはその手のオタクがそれっぽいものではなくゴジラやウルトラマンそのものを作り始めたということになる。
ゴジラやウルトラマンに撮影の技術が追いついたのか、庵野氏の技術が追いついたのか、気になるところ
大物俳優を数々使い特撮オタクではない層も興味をそそらせるというのもニクイ手法。技術に加えて俳優という顔の暴力。
シンゴジラでもお馴染みの政治ゲームもしていて庵野節を感じざる得ない。庵野映画の真骨頂はこの政治ゲームなので今作登場の敵キャラと合っていていい。個人的に政治ゲームというかあの場でのやり取りは好きだったりする
ネタバレありで話ていくと冒頭でシンゴジラとでていたうえにメインキャラにシンゴジラメンバーがいるのであの人たちシンゴジラ倒した脚で怪獣倒していくのかと思える。ライダーも同じ監督が控えてるので今度はシンウルトラマンと出す気なのか
冒頭で字幕とBGMを使ってダイジェスト形式にするという斬新手法。この世界は既に怪獣の魔の手が迫っていると魅せるにはあまりに分かりやすい。そのワンカットのためにお出しされるCG、予算の暴力。
怪獣が怪しいではなく禍威獣、禍々しいに威力、というのは厨二ぽくていい、いやダさいな。初代の科特隊の名称は禍特対と部隊ではなく対策室の名称とリアル寄りにしてる。専用の戦闘機がないのは尺と残りの予算の都合かなと思える。
ウルトラマンが最初猫背でないのはさておき銀色で人間と合体してから赤くなるのはネクサス意識してそうだ。初代ウルトラマンはある意味交通事故で人間を死なせているが今回もある意味交通事故でやはりひどい始まりだった。
斎藤工がウルトラマンなのだが流石手練れというべきか人間初心者とでも言うべき無表情無機質感あっていい
そして怪獣の出番はすぐ終わり宇宙人が連続で政治ゲームで攻めてくる流れ、完全に監督の趣味ではないかと思えるチョイス。怪獣大乱闘じゃなくて対宇宙人の政治ゲームがしたいだけに見える。しかもウルトラマンは捕まる上にカトク対員に助けられる。まあ、ウルトラマン=最強でないのは初代の信念を体現していていいが等身大の時のやり取りなので熱いというより可愛く見える。誘拐される時はザラブが犯人なのでそれを分かったように本物を待つカトク対メンバーが面白い。シレっとした感じなので熱くは見えない、シュールさが目立つ。そしてザラブのせいでまさかの正体バレ、正体知ってるおかげで以降はウルトラマンが仲間と協力できていい、というかウルトラマンは正体知られた方が動きやい気がする。ただし仲間にのみというのはちゃんと描かれている
ウルトラマンが二人めの敵宇宙人メフィラス星人と会話する場所が公園だったり居酒屋だったりとかなりシュール、そこで異星人二人が地球の処遇について語るものだからシュールさが振り切れる
ウルトラマンは今作だと喋らない印象があったが最終決戦以外でも喋った。普通にいらだっていて俗ぽかった。元の性格か人間と融合したせいか気になるが。
そして最後の怪獣だがウルトラマンなのでやはりあれ、ゼットンである。サイズがオリジナルより遥かに上だが。まさかでかくするとは思わなかった。他が政治ゲームしてるのに最後の最後でただのデカブツ寄越すとかありえない。倒し方はウルトラマンの技術の転用である。ウルトラマンは神だの言われたり本人は神じゃないだの言うが技術レベルだけならやはり神ではないか。まあザラブたちもほぼ技術が同じなので宇宙人は全員神になるが。そしてその技術を再現するため人類が英知を結集するのもシンゴジラぽい上に王道でいい。
そして興味深いのは作中の地球は宇宙人達に兵器利用されそうになってるということ。半端に知能があるといいようにされるということか。それゆえにゼットンを使われる始末、ゼットンの使用目的が利用されるくらいなら惑星ごと始末してしまおうというノリなのでひどい。宇宙は広いので惑星一個ぐらいどうということはないとも言われておりSF感が強い。本編後の地球また他の宇宙人に狙われるのできつそう。初代通りウルトラマンはこの映画で地球を去ってるだけに。