いれいざーの放浪オタクログ

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「劇場短編仮面ライダーセイバー不死鳥の剣士と破滅の本」「劇場版仮面ライダーゼロワンREAL×TIME」感想(ネタバレあり)  

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   今回のパンフレット。夏映画の戦隊部分にセイバーが収まったように見える

 

端的に言うなら二大主人公の共演が見られないのが本当に残念なほどどちらも派手で出来のいい作品だった。コロナウイルスを本当に恨めしく思う。今回は冬に夏映画に当たるゼロワンを公開したが夏にムービー大戦や平成ジェネレーションに当たるものは出るのか。

 

 

 

 


セイバーは飛羽真がサッカーに混じりたい少年の背中を押す最中、悪のライダー、ファルシオンが破滅の本を使いワンダーランド経由で現実を破壊しようとするところから始まる。それに対する飛羽真達ライダー、応援したり見守る街の人と芽衣という構図だ。そして最初は昼なのにいつの間にかワンダーランドが暗くなるほど崩壊が進み飛羽真の変身がダメージで解けていた。尺の都合か本編同様話がいつの間にか進んでいる。ファルシオンはフェニックスモチーフらしくオレンジに燃えていてかっこいい、さらに死んだと思わせて復活、まさに不死身!敵としてふさわしい。その対策は飛羽真が放ったドラゴンに破滅の本が反応し新たなドラゴンが現れて変身するエモーショナルドラゴン。映画限定なのがもったいないくらいスマートな見た目、しかも真ん中と左は白黒で盾持ちという騎士にさらに相応しい姿だ。その新たな形態のドラゴンでファルシオンを封印して終わった。ファルシオン自体は封印されていたようだが誰が封印を解いたのだろうか。


ゼロワンはエスが新世界を作ろうとし或人がその儀式の場を阻止しようと挑むところから始まる。やはり映画だからかいきなりいきさつや日常を飛ばして事件が始まっている。エスの信者により街にガスを使ったテロも始まりエイムズ、不破、滅亡迅雷ネットが対応、事件解明をする。エスに敗北した或人がエスの楽園にて彼の婚約者から情報を直接得るという図らずも二面作戦で進行した。エスの作る楽園はただのテロでもテロリストである信者のためのものでもなく婚約者にいる世界に住人を送るためだった。というのもデイブレイク時にその婚約者はエスの使ったナノマシン実験を行いナノマシンがヒューマギア同様ハッキングされ婚約者の意識が戻らなくなるという事件があったためだ。事情を知った或人と和解、しかし部下が裏切り滅亡迅雷ネット、不破、エイムズ、垓も含めて対決することになる。セイバーは円状に並んでの変身だがこちらは横状に並んでの一斉変身、ここが一番派手な見せ場だった。

しかし或人とエイムズの激闘の裏では垓がエスに技術を流したスパイを裸に剥き飛電のヒューマギア、ましろちゃん、腹筋崩壊太郎、ビンゴで尋問するというギャグもありという話だった。スパイの演者はアキラ100%で振り回されても別アングルになっても股間が見えない、彼の芸をそこまで貫くとは、本当に笑える。激闘の裏で笑かさないで欲しい。

エスの変身するエデンは血液模様のある人間が入るようなシークエンスだ。エス達は生身の身体ではなくナノマシンによるアバターを使っているため別の人間、肉体を使うという意味では体現していていい。エデンの時は模様が赤く血が通っているようだったが部下が裏切って変身するルシファーは模様が白く骨、つまり死人のようだった。人の心を保っていたエスに対して最後まで非道なテロリストを通した部下に相応しい。

新形態のヘルライジングはメタルクラスタ同様暴走系で変身が解けたエスを殺そうとさえしていた。そこを止め共闘したのがゼロツーになったイズだった。ゼロワンは社長にしかなれないがゼロツーは関係ないらしい。イズ二代目はまだ生まれたばかりで滅に問われても心を理解できていないのが子供らしくていい。だが初代のイズはゼロツープログライズキーにちゃんと入っていて二代目に指示を出していた。本編でもイズとゼアが繋がっており衛星が乗っ取られてもイズがゼアとして機能していたという描写がありゼロツーキーが新たなゼアになっていたのでイズのデータもちゃんと入っていたのだ。しかしたがらと言って二代目が初代として復活することはなく二代目のままゼロツーとして戦っていた。並ぶはリアライジングホッパー、最強フォームと最終フォームの共演である。変身前が主人公とヒロイン、これはいい、エモすぎた。

今回の映画は人間は生身の身体を捨てて新たなステージに行けるというありがちな近未来的メッセージという本編のヒューマギアとは違うアプローチをしていた。だがしかし、その新たな肉体、ナノマシンやそれを使ってネットワーク世界で暮らすコンピュータ本体、サーバーが壊れた終わりである。台無しだ。実際劇中でもそのサーバーは爆破されていた。エスは死んだ婚約者と会え結婚式も出来たので死んだ人間を生かし同じ世界で理想の最後を迎えるという意味ではいい。エスの部下達はネットカフェにいたり育児を放棄して太っていたりと現代人にありがちな人物を描写していてリアルだ。現実が辛いからこそエスの理想に共感し楽園に縋ったのだろう。